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「建築雑誌」に『環境設計者という職能』というタイトルで執筆をしています(山田浩幸)
2013年4月号に掲載
これからの設計者に求められる職能について、「環境技術」という視点で思うところを述べてみました。
(以下、原稿より抜粋)
省エネ住宅と呼ばれる機械仕掛けの住宅
最近の省エネ住宅は二極化している。
最先端のエコ機器を搭載した高気密・高断熱住宅と、エコ機器を使用せずに自然の力を利用する住宅だ。この二つは、自然の力で快適に住むというコンセプトは同じだが実際はまったくの別物だ。わかりやすく簡潔にたとえるならば、閉じる住宅と開く住宅だ。
国の意向により、高気密・高断熱住宅はこれからもっと増えていくと思う。
果たして高気密・高断熱住宅が本当によいのか?と疑問視している。
まず、冷暖房効率を向上させるために高気密化することで換気が不十分になり、シックハウス症候群を発症するリスクがある。それを受けて定められた法律が「24時間換気」だ。しかし、1日中換気扇をONにしなければならない住宅が、省エネと言えるだろうか。
(中略)さらに、断熱材やエアコンでいくら温度や湿度をコントロールしても放射熱対策をしていなければ、体感温度は暑いままだ。
その例として、複層ガラスにしていれば大丈夫という考えも間違いだ。
冬場の断熱や結露防止には効くが、日射遮蔽性能は単層ガラスとほぼ同じで、夏場の日射対策にはならない。
この記事が掲載された号の特集は、「2020年省エネ義務化:建築はそのとき」です。
2020年といえば、東京オリンピックの年。
そのとき、日本の住宅は一体どうなっているでしょう。
「エアコンのいらない家」のような〈開く住宅〉が、少しでも増えていたらと思いますが・・・。
(日本建築学会)
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